「りくろーおじさんの店」天王寺駅店が9月13日閉店 大阪名物チーズケーキに惜しむ声
大阪の人気チーズケーキ店「りくろーおじさんの店」が、JR天王寺駅構内の店舗を2026年9月13日で閉店すると発表した。
公式サイトでは「やむなく閉店することとなりました」とだけ説明されており、詳しい理由は明かされていない。
天王寺エリアで唯一の直営店だっただけに、SNSでは「駅ナカで買えるのが便利だったのに」と惜しむ声が相次いでいる。
焼きたてチーズケーキで知られる同店の歴史と、今回の閉店が意味するものを整理する。
「りくろーおじさんの店」とは
りくろーおじさんの店は、大阪発祥の焼きたてチーズケーキで知られる菓子メーカーである。
もともとは1956年から和菓子の卸業を営んでいた創業者が、1958年に小売業「千鳥屋」を立ち上げたことが始まりとされる。
現在の看板商品はデンマーク産のクリームチーズを使った焼きたてチーズケーキで、なんば本店をはじめ大阪府内に店舗を展開している。
天王寺駅店は、JR天王寺駅の改札前にある商業施設「アントレ・マルシェ」内に位置し、天王寺エリアで唯一の直営店舗だった。
駅の改札を出てすぐに購入できる立地の良さから、通勤客や観光客に長年利用されてきた。
発表された内容と、明かされなかった理由
同店は公式サイトで、天王寺駅店を2026年9月13日をもって閉店すると発表した。
発表文には「9月13日をもちまして、やむなく閉店することとなりました」という一文のみが記載され、具体的な閉店理由については触れられていない。
一般的に駅ナカ店舗の閉店には、賃料や契約更新条件の変化、施設側の改装計画など、店舗単独では判断しきれない事情が絡むことが多い。
今回のケースでも、こうした立地契約に関わる事情が背景にある可能性は十分に考えられる。
ただし公式が理由を明言していない以上、憶測で原因を断定するのは避けるべきだろう。
はっきりしているのは、天王寺エリアから直営店の焼きたてチーズケーキが買えるスポットが一つ減るという事実である。
SNSで広がった「惜しむ声」
閉店発表を受けて、SNSでは天王寺駅店を惜しむ投稿が相次いだ。
「毎日改札を出たらすぐ買えたのに」「便利さが恋しくなる」といった声が多く見られる。
天王寺駅は近鉄や地下鉄、JR環状線が乗り入れる大きなターミナル駅であり、乗り換えのついでに立ち寄れる立地は他店では代えがたい価値があった。
筆者としては、こうした「駅ナカの便利さ」は失われて初めてその価値に気づかされる部分が大きいと感じる。
実際、閉店発表直後からSNS上のトレンドにも同店の名前が上がるなど、反響の大きさがうかがえた。
これは裏を返せば、それだけ天王寺駅店が地域住民や通勤客の生活に根付いていた証拠とも言えるだろう。
一方で広がる新規出店の動き
同社は天王寺駅店を閉じる一方、2026年4月24日にはなんばマルイの1階に新店舗をオープンさせている。
つまり、単純な事業縮小ではなく、出店エリアの見直しを進めている最中である可能性が高い。
なんば本店周辺は同社にとって象徴的なエリアであり、そこへの出店強化は集客力の高い立地への再配置とも読み取れる。
現在、りくろーおじさんの店は大阪府内に11店舗を展開しており、そのうち観光客が利用しやすい7店舗はJR新大阪駅、伊丹空港、梅田、難波・心斎橋エリアに集中している。
天王寺駅店の閉店後も、なんば本店をはじめとする主要店舗は営業を続ける見通しだ。
駅ナカという利便性の高い立地を手放してでも、集客力の高いエリアに経営資源を集中させる判断があったのだとすれば、地方の駅ナカ商業施設全体が抱える課題を象徴する動きとも言えそうだ。
大阪土産としての価値と、駅ナカ全体への影響
りくろーおじさんの店は、大阪銘菓として長年観光客の土産物需要を支えてきたブランドの一つである。
なんば・心斎橋、梅田、新大阪駅、伊丹空港など、観光導線を意識した店舗展開を続けてきたことからも、同社が「持ち帰りやすさ」を重視してきたことがうかがえる。
天王寺駅は近年、あべのハルカスの開業などで観光客の流れが増えているエリアでもあり、そこから直営店が一つ姿を消すインパクトは決して小さくない。
筆者としては、今回の閉店は一企業の店舗戦略の問題にとどまらず、駅ナカ商業施設全体の新陳代謝の速さを象徴する出来事のようにも感じられる。
便利だったお店ほど、閉店してから初めてその存在の大きさに気づかされるものかもしれない。
駅ナカ店舗が抱える難しさ
近年、駅ナカ商業施設は賃料の高さや契約更新のハードルが上がりやすい傾向にあると指摘されている。
乗降客数の多い駅であればあるほど注目度は高い一方、テナント側にとっては採算ラインを維持する難しさもつきまとう。
今回の天王寺駅店のケースが賃料や契約条件によるものかは公式に説明されていないが、同様の理由で駅ナカ店舗が入れ替わる例は他のブランドでも珍しくない。
利用者にとって便利な立地ほど、実は運営側にとってはコストとの兼ね合いがシビアな場所であるという構図が、今回の件からも透けて見える。
なんば本店に見る「焼きたて」へのこだわり
なんば本店では、1回につき12個ずつチーズケーキが焼き上がる仕組みになっており、開店から閉店まで一日に何度も窯入れが繰り返されている。
焼きたてを求める客はそのタイミングに合わせて並ぶことも多く、少し時間が経った商品であれば並ばずに購入できる場合もあるという。
こうした「焼きたてを待つ」という体験自体が、同店の名物としてSNSなどで語られることも多い。
天王寺駅店はテイクアウト専門の販売形態だったため、なんば本店のような焼き上がりを待つ体験はできなかったが、その分手軽さで支持を集めていた。
▶ JR天王寺駅店 2026年9月13日閉店
▶ なんばマルイ店 2026年4月24日新規オープン
▶ 大阪府内11店舗を展開
▶ 天王寺駅店はエリア唯一の直営店だった
| 店舗名 | 状況 |
| JR天王寺駅店 | 2026年9月13日閉店 |
| なんばマルイ店 | 2026年4月24日新規オープン |
| 大阪府内店舗数 | 11店舗 |
焼きたてチーズケーキが人気を集める理由
りくろーおじさんの店のチーズケーキは、焼き上がり直後のふわふわとした食感が最大の特徴とされている。
時間が経つとしぼんでしまうほど繊細な焼き上がりで、店頭では専用の保冷剤付きで手渡されるのが恒例になっている。
デンマーク産クリームチーズを使った素材へのこだわりも根強い人気を支える理由の一つだ。
なんば本店では行列ができることも珍しくなく、大阪土産の定番として長年親しまれてきた。
箱を開けた瞬間にふわっと立ち上る甘い香りも、多くのファンを惹きつけてきた魅力の一つだ。
まとめ
りくろーおじさんの店JR天王寺駅店は、2026年9月13日をもって閉店する。
天王寺エリア唯一の直営店だっただけに、SNSでは閉店を惜しむ声が広がった。
一方で同社は2026年4月になんばマルイに新店舗を出店しており、単純な縮小ではなく出店エリアの見直しが進んでいる可能性がある。
大阪府内に11店舗を展開する同社が、今後どのようなエリア戦略を描いていくのか注目したい。
閉店までの期間、天王寺駅を利用する人は焼きたてチーズケーキを味わえる最後のチャンスを逃さないようにしたいところだ。