「チャンネルがーどまん」YouTube引退は本物か 内部崩壊とドッキリ疑惑を検証
「チャンネルがーどまん」が2026年7月6日、YouTubeからの引退を正式に発表した。
登録者300万人超を誇る人気YouTuberユニットとして、約10年間にわたり活動してきたグループだ。
しかし今年3月に噴出した内部トラブルを境に、状況は一変していた。
動画公開直後、SNSには「またドッキリでは」と疑う声が相次いだ。
その一方で、今回はこれまでとは違う”本気の引退”だとみる向きも強まっている。
いったい何が今回を特別なものにしているのか、経緯を時系列で整理しながら検証していく。
10年続いたユニットに何が起きたのか
チャンネルがーどまんは、2016年8月30日に結成された過激系YouTuberユニット(体を張った企画やドッキリ動画を主軸に人気を集めるジャンルのYouTuberを指す)である。
約10年間の活動を経て、登録者数はメインチャンネルだけで316万人に到達していた。
しかし2026年3月、状況は大きく動く。
3月18日に公開された動画では、事務所の監視カメラに記録された、リーダーとメンバー・スタッフ約10名との激しい口論の様子が公開された。
この動画により、MY、山ちゃん、ワタナベマホト、マチョリティーの4人が脱退することが明らかになった。
さらに4月27日には予告なく全動画が非公開化され、リーダーのX(旧Twitter)には「ありがとう」という一言だけが投稿された。
この空白期間を経て4月29日、「今までありがとうございました。」と題した動画が公開され、YouTuberとしての引退とストリーマー(配信を通じてリアルタイムに視聴者と交流する配信者)への転身が発表された。
そして6月30日、今度は所属事務所からの退所と税金の未納問題が発覚し、7月6日に改めて引退を表明する動画が公開されるという、二段構えの展開をたどっている。
監視カメラ映像が暴いた内部崩壊の実態
発端は些細な編集データのやり取りだったとされる。
関係者の説明によれば、3月10日に納品された編集データが指示内容と異なっていたことをきっかけに、メンバー間の不満が一気に噴出した。
3月18日に公開された動画では、スタッフやメンバーとリーダーが激しく言い合う様子がそのまま流され、視聴者に大きな衝撃を与えた。
話し合いの中では、運営体制への不満や給料体系への疑問、日頃のコミュニケーション不足など、複数の問題が同時に指摘されていたという。
結果として、次の4人が同時に脱退するという、ユニットにとって過去最大級の離脱劇となった。
▶ MY(初期メンバー)
▶ 山ちゃん(初期メンバー)
▶ ワタナベマホト(編集担当・元YouTuber)
▶ マチョリティー(2024年加入の準レギュラー)
10年近く継続してきたグループが、わずか数週間で骨格を失ったと言っても過言ではないだろう。
表面化した”9400万円”という金額の重み
今回の騒動でとりわけ注目を集めたのが、脱退メンバーへの貸付金問題である。
報道によれば、借用書ベースで確認されている貸付額は次の通りだ。
| 脱退メンバー | 借用書ベースの貸付額 |
| ワタナベマホト氏 | 約3748万円 |
| MY氏 | 約3488万円 |
| 山ちゃん氏 | 約2255万円 |
| 合計 | 9400万円超 |
MY氏は「返すべきものは弁護士と相談して返済したい」とコメントした。
山ちゃん氏も「マジで返す」と返済の意思を示した。
一方でマチョリティー氏は「借金は一切ない」と全面的に否定しており、当事者間の主張は食い違ったままだ。
9400万円という金額は、個人間の貸し借りとしては極めて大きい。
単なる仲間割れではなく、資金繰りを含めた運営の根幹に関わる問題だったことがうかがえる。
ここまで大きな金銭トラブルが公になった以上、「いつものドッキリ企画」で片付けられる規模ではないと筆者は考える。
4月29日の”最初の引退”表明とTwitch挑戦
全動画非公開から2日後の4月29日、がーどまんは動画「今までありがとうございました。」を公開した。
この動画でYouTuberとしての引退と、ストリーマーへの転向を発表した。
動画内では「YouTubeを引退します。これは嘘でも何でもない」と語り、「日本一のストリーマーになりたい」という目標を掲げた。
翌4月30日正午にはTwitch(海外発のライブ配信プラットフォーム)で初配信を実施した。
初回企画には、およそ2億円規模の予算を投じたことも明かされている。
ところが5月1日には、非公開にしていたはずの動画がほぼすべて復活した。
チャンネルの概要欄には、1344本もの動画が表示される状態に戻っていたのだ。
「引退したはずなのに過去動画は残す」という中途半端さが、一部のファンの間で違和感として語られることになった。
税金トラブルが引き金になった”今度こそ”の引退
Twitchでの活動を続けていた最中の6月30日、チャンネルがーどまんは所属事務所・Carry Onからの退所を発表した。
理由として説明されたのは、事務所から紹介された税理士の不手際により税金が未納になっていたというものだった。
これに対し7月3日、Carry On側は声明を発表した。
声明では「税金の未申告が問題になったのはがーどまん氏個人が保有する法人であり、当該法人については契約関係にないため管理責任はない」と主張し、双方の説明は真っ向から対立した。
7月4日にはがーどまん本人が反論動画を公開し、「大人を信用しすぎて視聴者や国税に迷惑をかけた」と謝罪した。
そして7月6日、改めてYouTube引退を表明する動画が公開された。
動画内では「何を言おうと自分が悪い」「これは嘘でも何でもないです」と語られた。
わずか2カ月半の間に、脱退・借金問題・引退表明・ストリーマー転向・事務所退所・税金問題・再度の引退表明という、これだけの出来事が立て続けに起きている。
情報量の多さそのものが、今回の騒動の異常さを物語っていると言えるだろう。
「またドッキリでは」―過去の”引退”との違いを検証する
チャンネルがーどまんが「引退」や「解散」を口にしたのは、実は今回が初めてではない。
2020年2月1日には、丸刈りにした姿とともに「動画投稿を終了します」と題した動画を公開している。
これは後に、引退を装ったドッキリ企画だったことが判明した。
さらに2023年7月6日には、今回と同じく税金の未納問題を理由に引退を表明したことがあった。
この時は3日後の7月9日には撤回され、活動が継続されている。
つまり今回、7月6日に引退が発表された日付は、奇しくも2023年の”撤回された引退表明”とまったく同じ日付にあたる。
この符合こそが、「今回もまたパフォーマンスではないか」というファンの不信感を強めている最大の要因だと考えられる。
実際、本人が公開した動画には「がーどまんが今度こそ本気でYouTubeを引退。」というタイトルが付けられている。
“今度こそ”という言葉自体が、過去の”引退未遂”の存在を暗に認めているようにも読める。
これまでの主な「引退」関連の出来事を整理すると、以下のようになる。
▶ 2020年2月1日:丸刈り姿での「引退」動画→後にドッキリと判明
▶ 2023年7月6日:税金未納を理由に引退表明→3日後の7月9日に撤回
▶ 2026年4月29日:メンバー大量脱退を経て引退を表明、ストリーマーに転向
▶ 2026年7月6日:税金トラブルの再燃を受け、改めて引退を表明
今回が”本気の引退”とみられる4つの理由
それでも今回の引退表明については、過去の”引退”とは異なる本気度の高さを指摘する声が多い。
理由は大きく分けて4つある。
▶ メンバー4人が実際に脱退し、グループとしての体制そのものが失われている点
▶ 9400万円超という巨額の貸付金トラブルが公になり、金銭面での後戻りが難しい状況にある点
▶ 4月30日以降、実際にTwitchでの配信活動が継続して行われており、”次の場所”がすでに存在している点
▶ 所属事務所からも退所し、これまでの運営体制やスタッフとの関係が根本的に解消されている点
過去の引退表明は、あくまでチャンネル単体の企画やイメージ戦略の一環として行われたものだった。
しかし今回は、メンバー・資金・事務所という運営の三本柱がすべて同時に失われており、”演出”では説明のつかない構造的な変化が起きている。
本気かどうかを分けるのは、発言の強さではなく、後戻りできる基盤が残っているかどうかだというのが、今回の一連の騒動を追う中で見えてきた見解である。
補足情報:YouTuberとストリーマーは何が違うのか
ちなみに、YouTuberからストリーマーへの転身は、近年珍しくない選択肢になりつつある。
YouTubeは編集された動画中心のプラットフォームである一方、Twitchはリアルタイムの配信と、視聴者からの投げ銭(配信中に視聴者が配信者へ送る金銭的な応援)を軸とした収益構造を持つ。
両者は視聴者との距離感や収益の得方が大きく異なるため、「引退」というより「活動の場を移す」という表現の方が実態に近いという指摘もある。
実際、がーどまんは4月30日の初配信で2億円規模の企画を実施しており、YouTube時代とは異なる資金の動かし方に挑戦している点も見逃せない。
まとめ
チャンネルがーどまんの今回の引退表明は、単発の話題づくりではない。
3月からの内部崩壊、9400万円規模の金銭トラブル、事務所退所という一連の出来事の帰結として位置づけられる。
過去にも「引退」を口にしながら撤回してきた経緯があるため、ファンが懐疑的になるのは自然な反応だ。
それでも運営基盤そのものが失われている今回については、これまでとは一線を画す”本気の引退”である可能性が高いと言えそうだ。
今後はTwitchでのストリーマー活動を軸に、新たな一歩を踏み出せるかが注目される。