大谷翔平の“天井直撃ホームラン”は本当にHRだったのか?東京ドームの開閉式屋根問題も考察
大谷翔平の驚愕弾! でも天井直撃はHR?
2025年3月19日、MLB開幕戦が東京ドームで行われ、大谷翔平選手が衝撃の一発を放ちました。
大谷君のホームランなんだけど手動で更にスローにしてみると確かに天井にカスって角度が変わった様にも見える。
— もみた (@momizou518) March 19, 2025
カブスの外野手のこのジェスチャーは天井に当たったからホームランだよ!と言っているのかな? pic.twitter.com/XXwGa9iR8x
しかし、このホームランにはある疑問が残ります。
それは「もし天井に当たってフェンス直撃だったらホームランになったのか?」ということ。
東京ドームの特殊なルールのもとで、このケースがどう扱われるのか、詳しく掘り下げます。
さらに、このような天井直撃弾の議論が起こるたびに、「東京ドームを開閉式にしたほうがいいのでは?」という声も聞かれます。
巨人軍は資金力があるのになぜ実現しないのか? その理由についても考察していきます。
天井直撃→フェンス直撃ならHR? 東京ドームのルールを確認
東京ドームは、1988年に開業した日本初の屋内型多目的スタジアムです。
その特徴的な“膨らんだ屋根”はエアサポート方式(※1)で支えられており、打球が天井に当たることも珍しくありません。
では、東京ドームのルールでは、天井に打球が当たった場合、どのように判定されるのでしょうか?
東京ドームのルール(NPB公認野球規則)
- 天井に当たった打球がフェアゾーンに落下 → インプレー
- 天井に当たって直接スタンドイン → ホームラン
- 天井に当たってフェンス直撃 → インプレー(HRではない)
つまり、大谷の打球が天井をかすったあとフェンス直撃だった場合、ホームランとはならず、エンタイトルツーベースなどの判定が下される可能性が高いのです。
(※1)エアサポート方式…空気圧で屋根を膨らませて支える構造。内部の気圧を外よりも高くすることで屋根を維持する。
東京ドームを開閉式にしない理由とは?
「天井がなければこんな議論は不要では?」と思う方もいるでしょう。
実際、開閉式屋根を持つドーム球場も世界には多く存在します。
しかし、東京ドームはなぜ開閉式にしないのでしょうか? その理由を探ります。
構造上の問題 – エアサポート方式ゆえの制約
東京ドームはエアサポート方式を採用しているため、開閉式にするためには屋根の構造そのものを大きく変更しなければなりません。
これはほぼ新球場を建設するのと同じレベルの改修が必要になるということです。
たとえば、アメリカの「グローブライフ・フィールド」(テキサス・レンジャーズの本拠地)は開閉式屋根を採用しており、建設費は約12億ドル(約1800億円)。
仮に東京ドームを改修する場合、それに匹敵する費用がかかると考えられます。
立地上の問題 – 開閉時の騒音や光害リスク
東京ドームは、都心のど真ん中に位置しています。
周囲には住宅地やオフィスビルが立ち並んでおり、開閉式屋根による騒音や、試合中の照明が外に漏れることによる光害の問題が発生する可能性があります。
実際に、横浜スタジアムがLED照明を導入した際も、周辺住民から「眩しすぎる」との苦情があったことが報道されました。
開閉式屋根を導入すれば、同様の問題が発生することが懸念されます。
コストの問題 – 巨人はお金を持っているが…
たしかに読売ジャイアンツは資金力のある球団ですが、それでも数千億円規模の改修を実施するのは簡単ではありません。
現在の東京ドームは設備更新を続けながら問題なく運用されており、わざわざ開閉式屋根にするだけのコストをかける合理的な理由が乏しいのです。
また、開閉式にすることでランニングコストも増加します。たとえば、マイアミの「ローンデポ・パーク」(マーリンズの本拠地)では、屋根の開閉に1回約10分、電気代だけで1回あたり1,500ドル(約23万円)かかると言われています。
東京ドームが同じようなコストを負担するのは難しいでしょう。
安全性の問題 – 開閉機構の故障リスク
過去には、開閉式屋根を持つスタジアムで不具合が発生したケースもあります。
たとえば、2018年にはカナダ・トロントの「ロジャーズ・センター」で屋根の開閉トラブルが発生し、一時的に試合運営に影響が出ました。
東京ドームの屋根を開閉式にすることで、こうしたトラブルのリスクが増える可能性も考えられます。
まとめ – 東京ドームはこのままの形がベスト?
今回の大谷翔平選手のホームランは、天井にかすってもスタンドインしたため問題なくHRと認められました。
しかし、もしフェンス直撃だった場合、東京ドームのルール上、HRとはならなかった可能性が高いです。
また、「東京ドームを開閉式にすべきでは?」という声もありますが、
- 構造的な制約
- 立地による影響
- 膨大なコスト
- 開閉機構のリスク
といった複数の理由から、実現する可能性は低いと考えられます。
天井に当たる打球があるからこそ、東京ドームならではのドラマが生まれるのも事実。
大谷翔平の一打が、改めて東京ドームの特徴を浮き彫りにした一戦となりました。