ポルノ女優ストーミー・ダニエルズとは? – トランプ元大統領のハッシュ・マネー裁判の行方
2016年の大統領選挙を前に、共和党候補だったドナルド・トランプ氏が成人映画女優のストーミー・ダニエルズ(Stormy Daniels)に支払った130,000ドル(約1,700万円)の「ハッシュ・マネー(黙秘金)」をめぐる裁判が注目を集めています。
この裁判は、元大統領が刑事裁判に立たされるという歴史的な出来事であり、政治的な影響も大きいと言えるでしょう。
一方で、ストーミー・ダニエルズという人物にも注目が集まっています。彼女は単なる成人映画女優ではなく、驚くべき人生を歩んできた女性なのです。今回はトランプ前大統領の「黙秘金」裁判の概要と、ストーミー・ダニエルズの人物像に迫ってみたいと思います。
<ストーミー・ダニエルズのinstagramより>
トランプ前大統領とポルノ女優ストーミー・ダニエルズの関係
ストーミー・ダニエルズは1979年3月17日生まれのアメリカ人ポルノ女優で、脚本家、映画監督としても活躍しています。ルイジアナ州バトンルージュ出身の彼女は、2004年にAVN Best New Starlet Award(AVN最優秀新人女優賞)を受賞し、2007年2月にはペントハウスペットにも選ばれるなど、ポルノ業界で高い評価を得ています。
主な出演作品には『40歳の童貞』や『ノックアップ』などの一般映画にも出演経験があります。
ストーミー・ダニエルズとトランプ前大統領の関係は、2006年にさかのぼります。 当時、トランプ氏は既婚者でしたが、ストーミー・ダニエルズとの関係を持っていたと言われています。
2016年の大統領選挙直前、ストーミー・ダニエルズはトランプ氏との関係を明かそうとしましたが、トランプ陣営から130,000ドルの「黙秘金」を受け取ったことで沈黙を余儀なくされていました。 しかし、その後、ウォールストリートジャーナル紙が報じ、トランプ陣営の130,000ドルの支払いが明るみに出たのです。
殺される思っていた
ストーミー・ダニエルズは、トランプ大統領との秘密の賄賂取引が明るみに出た際、自分の命が危険にさらされていると感じていたと述べています。
ダニエルズは、2016年大統領選挙直前にトランプとの一夜の逢瀬を隠すために130,000ドルの賄賂を受け取りました。
しかし、この賄賂取引が2018年に明らかになると、ダニエルズは自分の命が脅かされていると完全に確信したと語っています。「私は確実に死ぬと思った」とダニエルズは振り返りました。
彼女は夫と娘を守るため、そして「トランプに私を殺されないよう」に賄賂を受け取ったと説明しています。
ダニエルズのこの発言は、トランプ陣営から批判を受けています。トランプの弁護士は、ダニエルズの発言が偏見を生み出すと主張し、裁判の延期や証言の制限を求めています。
俳優セス・ローゲンの証言
俳優のセス・ローゲンは、2007年に出演した映画『ノックアップ』の撮影中に、ストーミー・ダニエルズがドナルド・トランプとの関係について話していたことを明かしています。
ローゲンによると、ダニエルズはトランプと「寝た」と述べていたそうです。
当時はそれほど重要視されなかったものの、後にこの関係が大きな話題となったことに、ローゲンは驚いたと述べています。
時系列
2006年7月、ネバダ州レイクタホでのセレブゴルフトーナメントでトランプ氏と初めて出会った(当時トランプ氏は『アプレンティス』の司会者) ダニエルズ曰く、トランプ氏の招待でホテルの個室で初めて性行為があった。その後もパーティーやトランプタワーに招待された。
2007年7月、ダニエルズをビバリーヒルズホテルの個室に招き入れたが、性行為はなかった。
2011年5月、雑誌「インタッチ」にトランプとの関係をインタビューで暴露しようとしたが、トランプ側の法的な威嚇で掲載は止められた その数週間後、ダニエルズはラスベガスで「トランプに近づくな」と男に脅された。
2016年10月、トランプ側の代理人マイケル・コーエンから13万ドルの「沈黙料」を受け取る その代わり、トランプとの関係について黙秘を求められた契約書に署名した。
2018年3月、カリフォルニア州で黙秘契約を無効化する訴訟を起こした。
2018年4月、トランプ氏の「詐欺だ」というツイートについて名誉毀損で提訴した。(19年10月に訴え退けられる)
ストーミー・ダニエルズの人生
ストーミー・ダニエルズ(本名:ステファニー・クリフォード)は、1979年3月17日生まれの43歳の女性です。
彼女は成人映画女優として活動していますが、それ以外にも驚くべき経歴を持っています。
さんは、貧しい家庭環境の中で育ちました。両親の収入が低く、経済的に厳しい状況だったと考えられます。
そのような環境の中でも、ダニエルズは若い頃から馬に対する愛情を見出し、喜びを見つけていました。
そのような環境の中で育った彼女は、18歳でストリップクラブで働き始めます。
その後、ストーミー・ダニエルズは成人映画女優として活動を始めます。彼女は2002年に初めて成人映画に出演し、以降数多くの作品に出演しています。
上院議員選挙に出馬
一方で、ストーミー・ダニエルズは政治家としての一面も持っています。2009年には、ルイジアナ州の上院議員選挙に出馬しましたが、惜しくも落選しています。 その後も、積極的に政治活動に関わっており、トランプ大統領との関係を暴露したことでも知られています。
また、ストーミー・ダニエルズは、自身の経験を基に、虐待を受けた子供たちを支援する活動にも取り組んでいます。 彼女自身が虐待を受けてきた経験から、同じような境遇の子供たちを支援することの重要性を感じているのかもしれません。
このように、ストーミー・ダニエルズは成人映画女優としての活動だけでなく、政治家や社会活動家としての一面も持っている、まさに多彩な人物です。
馬への情熱
2018年の自伝「Full Disclosure」で、彼女は最初の馬である黒いメアについて書いており、乗馬活動が彼女の人生の重要な部分になったことを述べています。
彼女はこれまでに数頭の馬を所有し、多くの乗馬イベントで賞を受賞するなど、そのスポーツへの献身と技術を示しています。
彼女の乗馬のバックグラウンドは、彼女のアイデンティティの重要な部分であり、公の生活の荒波の中で安定感と喜びを与えてくれました。
馬術での法廷闘争
そんなストーミー・ダニエルズさんが、競技馬術の世界でも論争が巻き起こっています。
テキサス州の馬術センターのオーナー、エレン・ドウティさんが、ダニエルズさんを名誉毀損で訴えています。ドウティさんによると、ダニエルズさんは自分の事業についての偽情報を流布し、評判を傷つけたということです。
一方、ダニエルズさんの弁護士は、彼女が馬の虐待を告発する権利を行使したに過ぎないと主張しています。 この過程で4頭の馬が死亡するなどの出来事もありました。
ダニエルズさんの支持者は、彼女をヒロインのように称賛しています。しかし、批判者からは嘘つきで金銭目的だと非難されています。この裁判は、真実とは何かをめぐる議論を呼んでいます。
ダニエルズさん自身は、トランプ氏に対する告発で脅迫されるなど大きな代償を払ったと訴えています。一方で、馬との生活を楽しみたいだけだとも語っています。しかしこの争いぶりから、競技馬術の世界でのダニエルズさんは決して穏やかではなさそうです。
トランプ元大統領の法的問題
話をトランプ氏のハッシュ・マネー裁判に戻しましょう
沈黙料の支払いそのものは違法ではありませんが、トランプ側がこれを「法的費用」として処理したことが問題視されています。
検察は、これが有権者に有害な情報を隠蔽しようとした違法な企図だったと主張しています。
2018年8月、トランプ元大統領の弁護士だったコーエンは、税逃れと選挙資金規制違反の罪で有罪判決を受け、ダニエルズへの支払いも関係していました。
まとめ
今回、トランプ前大統領の「黙秘金」裁判とストーミー・ダニエルズの人物像について見てきました。
トランプ氏が2016年の大統領選挙直前に、ストーミー・ダニエルズに支払った130,000ドルの「黙秘金」をめぐる裁判は、元大統領が刑事裁判に立たされるという歴史的な出来事です。
検察は、この支払いが選挙への不正な干渉だったと主張していますが、トランプ氏側は無罪を主張しています。一方で、ストーミー・ダニエルズは、虐待を受けながらも這い上がってきた強い女性であり、成人映画女優としての活動だけでなく、政治家や社会活動家としての一面も持っています。
彼女の人生は波乱万丈であり、まさに「驚くべき人生」と言えるでしょう。この裁判は、政治的な影響も大きいと考えられますが、同時に、ストーミー・ダニエルズという人物の生き様にも注目が集まっているのが特徴的だと言えます。