荒井優希、東京プリンセスカップ1回戦突破 元SKE48アイドルが新人・風城ハルを撃破

最終更新日

Comments: 0

東京女子プロレス(TJPW)所属の荒井優希選手が、2026年7月20日に静岡・アクトシティ浜松展示イベントホールで開幕した「第13回東京プリンセスカップ」1回戦に登場した。

相手はこの春に高校を卒業したばかりの新人・風城ハル選手で、10歳差の対戦は開始前から大きな注目を集めた。

荒井は際どい攻防の末に勝利し、2回戦進出を決めている。

元SKE48のアイドルとして活動していた荒井が、なぜここまでプロレス界で存在感を放っているのか。

今回の一戦を軸に、その強さの背景を掘り下げていきたい。

荒井優希とは―SKE48からの転身

荒井優希選手は1998年5月7日生まれ、京都府出身のプロレスラーだ。

身長167cm、血液型はA型で、リング上でのニックネームは「GENIUS GIRL(ジーニアス・ガール)」という。

実は荒井のキャリアは、最初からプロレス一筋だったわけではない。

2013年、「第1回AKB48グループドラフト会議」でSKE48のチームKII(ケーツー)に指名され、アイドルとしての活動をスタートさせている。

2014年1月25日に正式にお披露目され、以降はチームKIIの副リーダーを務めるなど、グループの中心的存在として活躍した。

2018年の「53rdシングル世界選抜総選挙」では28位にランクインしアンダーガールズに選出され、同年12月のシングル「Stand by You」では初めて表題曲の選抜メンバー入りを果たしている。

メンバーの青木詩織さんとのコンビ「おしゆき」はTikTokでも人気を集め、幅広い世代のファンから支持されていた。

そんな荒井が転機を迎えたのは2021年5月4日のことだ。

東京女子プロレスの興行でプロレスラーとして正式デビューを果たしたのである。

アイドル活動と並行してのデビューだったが、その年のうちに東京スポーツ新聞社制定「プロレス大賞」と週刊プロレス制定「プロレスグランプリ」の両方で新人賞をダブル受賞するという快挙を成し遂げた。

そして2025年3月末、荒井はSKE48を卒業し、プロレス一本で生きていく道を選んだ。

アイドルとアスリートという二足のわらじを脱ぎ、プロレスラーとしての人生に懸けた決断は、当時大きな話題を呼んだ。

「東京プリンセスカップ」とはどんな大会か

では今回、荒井が戦った「東京プリンセスカップ」とはどのような大会なのか。

東京女子プロレスが主催するシングルマッチのトーナメント大会で、2014年から毎年夏に開催されている伝統ある大会だ。

第13回となる今大会には、なんと全24選手が参加している。

7月9日には東京・渋谷で組み合わせ抽選会が行われ、トーナメント表が確定した。

日程は1回戦が7月20日の静岡・浜松で8試合、2回戦が7月25日の大阪と7月30日の東京・新宿でそれぞれ4試合ずつ組まれている。

その後、8月8日に東京・両国で準々決勝、8月16日に大阪・豊中で準決勝が行われ、8月23日の東京・後楽園ホールで決勝を迎えるという長丁場のトーナメントだ。

ルールにも特徴があり、準々決勝までは30分1本勝負、時間切れの場合は両者失格になるという緊張感のあるレギュレーションが採用されている。

準決勝以降は時間無制限1本勝負に切り替わる。

ラウンド 日程 会場
1回戦 7月20日 静岡・アクトシティ浜松展示イベントホール
2回戦 7月25日/7月30日 大阪・アゼリア大正 / 東京・新宿FACE
準々決勝 8月8日 東京・両国KFCホール
準決勝 8月16日 大阪・豊中(176BOX)
決勝 8月23日 東京・後楽園ホール

歴代優勝者を見ると、2014年ののの子選手を皮切りに、2019年と2020年に連覇した瑞希選手、2023年に制した山下実優選手など、団体の顔となる選手たちが名を連ねてきた。

ちなみに荒井はこれまで3年連続でベスト4に進出しているが、優勝経験はまだない。

今大会こそ悲願の初優勝を、という思いは人一倍強いはずだ。

1回戦の激闘を振り返る―荒井優希 vs 風城ハル

注目の1回戦カードで荒井と対戦したのは、この春に高校を卒業したばかりの新人・風城ハル選手だ。

荒井28歳、風城18歳と、その年齢差は10歳にのぼる。

世代の異なる2人の対戦は、試合前から大きな話題となっていた。

試合は握手からスタートするフェアな入りを見せたが、荒井がすぐにビッグブーツで先制し、コーナーに追い詰めてストンピングを連打するなど、序盤から主導権を握りにいった。

荒井は風城の左足に集中攻撃を仕掛け、経験の差を見せつけようとする。

しかし、そこからの風城の反撃が見応え十分だった。

風城が積極的にドロップキック(跳び蹴りの一種)で反撃

荒井がインディアン・デスロック(相手の脚を絡めて固める技)で対抗するも脱出される

風城の反転式ドロップキックとアームバー(腕を極める関節技)で荒井を追い詰める

荒井は低空クロスボディー(相手に体ごと飛びつく技)を受けながらも立ち上がって反撃開始

ブレーンバスターやフルネルソンバスター(相手を担ぎ上げて叩きつける大技)を連発

最後はサソリ固め(スコーピオン・デスロック。相手の脚を固めて締め上げる関節技)で風城がタップアウト

試合時間は9分40秒

決して長い試合ではなかったが、経験差を突きつけるだけでなく、新人の勢いに冷や汗をかく場面もある、内容の濃い一戦だった。

試合後、荒井は「この夏を荒井一色に染めていきたい」とコメントし、トーナメント制覇への意欲をにじませた。

一方で風城の若さについて「もっとキラキラしたい」といった趣旨の発言も残しており、10歳差の新人から良い刺激を受けた様子もうかがえた。

筆者の見立てでは、この試合はベテランと新人というわかりやすい対立構造以上の意味を持っていたように思う。

王者としての意地と、新人の勢いに気圧されそうになる人間らしさが同居する試合内容だったからだ。

格の違いを見せつける完勝ではなく、際どい攻防を経ての勝利だったからこそ、荒井の「この夏を荒井一色に」という言葉には説得力が宿る。

なぜ今、荒井優希が注目されているのか

荒井が今もっとも脂が乗っている選手であることは、直近の戦績を見れば一目瞭然だ。

風城戦のわずか2日前となる2026年7月18日、東京・後楽園ホールで行われた大会で、荒井はプリンセス・オブ・プリンセス王座の防衛戦に臨んでいた。

挑戦者は山下実優選手である。

荒井にとって山下は、プロレスの基礎を叩き込んでくれた“師匠格”とも言える存在だ。

これまでシングルマッチでは3戦3敗と一度も勝てていなかった相手だったが、この日荒井は死闘の末に勝利し、王座4度目の防衛に成功した。

師匠格の選手に対する初白星を、よりによって団体最高峰のベルトを賭けた一戦で挙げたことになる。

つまり荒井は、中2日というハードな日程の中で、団体最高峰王座の防衛戦とトーナメント1回戦という2つの大一番を立て続けにこなしたことになる。

荒井が保持するプリンセス・オブ・プリンセス王座は、荒井にとって第17代の戴冠であり、2026年3月29日に両国国技館で渡辺未詩選手を破って初めて手にしたタイトルだ。

アイドルから転身した選手が団体の看板ベルトを手にし、なおかつ複数のタイトルを保持するグランドスラムを達成しているという事実は、女子プロレスに詳しくないファンにも伝わりやすいサクセスストーリーだと言えるだろう。

元アイドルがガチンコの格闘技で頂点に立つというのは、言葉で言うほど簡単なことではない。

歌やダンスのパフォーマンスとは異なる筋力・体力、そして「痛みへの耐性」が求められる世界で、デビューから4年あまりで団体を代表する選手にまで登り詰めたのは、素直に驚くべきことだと思う。

2回戦は中島翔子と対戦―荒井の夏はどこまで続くか

1回戦を突破した荒井が次に対峙するのは、7月30日に東京・新宿FACEで行われる2回戦、対戦相手は中島翔子選手だ。

中島は2015年の東京プリンセスカップ優勝経験を持つベテランで、荒井にとっては風城戦とはまた違ったタイプの、経験豊富な相手との対戦になる。

荒井は自身の言葉通り「荒井一色」の夏にできるのか。

3年連続で跳ね返されてきたベスト4の壁を越えて初優勝を果たせるのか、8月23日の後楽園ホール決勝までの道のりを追いかける価値は十分にありそうだ。

補足情報

補足として、東京プリンセスカップの過去の優勝者たちを振り返ると、団体の歴史がよくわかる。

2014年のの子選手を筆頭に、2015年中島翔子選手、2019年・2020年連覇の瑞希選手、2021年伊藤麻希選手、2023年山下実優選手、2024年水波綾選手と、いずれも団体の主力・エース級の選手が優勝を飾ってきた。

荒井がここに名を連ねることができれば、まさに「アイドルから団体のトップへ」という物語がひとつの到達点を迎えることになる。

なお準々決勝までのルールは30分1本勝負・時間切れ両者失格という珍しい形式のため、実力伯仲のカードでは決着がつかず両者敗退という番狂わせも起こり得る、緊張感のあるトーナメントとなっている。

まとめ

荒井優希選手は、風城ハル選手との1回戦を突破し、東京プリンセスカップでの4年連続ベスト4以上進出を確定させた。

中2日で団体最高峰王座の防衛戦とトーナメント初戦を連続して制した勢いは本物だ。

元SKE48アイドルという経歴を経て、いまや団体の顔として君臨する荒井の夏がどこまで続くのか。

7月30日の中島翔子戦、そしてその先の準々決勝、決勝までの戦いぶりに注目したい。

Wooder

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


コメントする