MUVEIL×PAYDAY初コラボ、1940〜50年代ワークウェアに動物や懐中時計の刺繍

最終更新日

Comments: 0

日本のファッションブランド「MUVEIL(ミュベール)」が、アメリカの老舗ワークウェアブランド「PAYDAY(ペイデイ)」と初めてタッグを組んだ。

2026年7月24日(金)にオンラインショップで先行発売され、翌7月25日(土)から全国のミュベール取扱店舗でも販売がスタートしている。

1940〜1950年代のヴィンテージワークウェアをベースに、犬や懐中時計、クラシックカーなどをモチーフにしたカラフルな刺繍が施された、遊び心のあるコレクションだ。

今回はこのコラボレーションの内容と、それぞれのブランドの背景について詳しく紹介する。

MUVEILとPAYDAY、それぞれどんなブランドなのか

今回のコラボレーションを理解するには、まず両ブランドの成り立ちを押さえておく必要がある。

MUVEIL(ミュベール)は2007年秋冬シーズンにスタートした日本のファッションブランドだ。

ブランド名は、フランス語で「スズラン」を意味する「muguet(ミュゲ)」と、英語で「ベール」を意味する「veil」を組み合わせた造語だという。

スズランには「人の幸せを願う」、ベールには「陰ながら幸せを願う」という意味が込められており、フリルやチュールなどの繊細な装飾と、動植物モチーフの刺繍、そしてどこか毒っ気のあるユーモアを併せ持つデザインが特徴とされている。

一方のPAYDAY(ペイデイ)は、1920年代初頭にアメリカで誕生したワークウェアブランドだ。

当時のアメリカの大手デパートメントストアが展開していたストアブランドのひとつで、カバーオール(つなぎ服の一種)やオーバーオールを中心に、鉄道や建築の現場など過酷な労働環境で使われる衣料を製造してきた。

機能性を追求し続けた結果、無駄なディテールを削ぎ落としたシンプルで実用的なデザインに行き着いたブランドであり、今ではヴィンテージワークウェアの世界で高く評価される存在になっている。

つまり今回のコラボは、フェミニンで遊び心のある日本ブランドと、無骨で機能的なアメリカの労働着ブランドという、一見対照的な二社の組み合わせということになる。

この異色の掛け合わせこそが、今回のコレクションを単なる「ワークウェアの復刻」で終わらせない鍵になっている。

発売日と展開アイテム、価格をチェック

今回のコラボレーションは、以下のスケジュールで展開されている。

オンライン先行発売:2026年7月24日(金)

店舗発売:2026年7月25日(土)より全国のミュベール取扱店舗

販売チャネルは、MUVEIL公式オンラインショップと全国の実店舗の2つで、まずオンラインで1日先行して手に入れられる仕組みになっている。

展開アイテムは、ライナー(取り外し可能な裏地)付きジャケットとパンツの2型が中心だ。

価格は次の通りで、いずれもコラボアイテムらしくやや高めの設定となっている。

アイテム 価格(税込) ベースとなった年代
ペイデイコラボ ライナー付きジャケット 72,600円 1940年代の大戦モデルのカバーオール
ペイデイコラボ パンツ 53,900円 1950年代のペインターパンツ(職人向け作業用パンツ)

ジャケットは、1940年代の大戦期に作られたカバーオールをベースにしており、季節に応じて着脱できるライナーが付属している点が大きな特徴だ。

襟にコーデュロイ素材、ボタンにはPAYDAYのブランド刻印が入ったものを採用するなど、ヴィンテージらしい素材感にもこだわっているという。

パンツは、1950年代にワーカー向けに作られていたペインターパンツがルーツで、ハンマーループ(工具を差し込むためのベルト通し)や複数のワークポケットなど、実用性を重視したディテールを残しつつ、丈感やシルエットのバランスは現代的に調整されている。

カラー展開は3色で、生地の質感によって表情が異なるのも見どころだ。

オフホワイト:カラーネップ入りのコットンキャンバス生地

キャメル・ネイビー:コットンダック生地(厚手で丈夫な綿織物)

生地そのものにも表情の異なる原料を使い分けており、単なる色違いではなく素材感からしっかり作り分けられている点は、価格に納得感を持たせる要素と言えそうだ。

最大の見どころは「西洋文化と出会った日本」を描いた刺繍

このコラボレーションで最も注目すべきポイントは、なんといっても全身に散りばめられた色彩豊かな刺繍だろう。

モチーフとして採用されているのは、犬、懐中時計、クラシックカー、缶詰、花、木馬、プリンアラモード(型で成形したプリンにクリームやフルーツを添えたデザート)など、実に多彩だ。

これらは単なる可愛らしい絵柄として選ばれたわけではなく、「近代日本が出会った西洋文化」という明確なコンセプトに基づいて選定されている。

懐中時計やクラシックカーは、明治以降の日本に持ち込まれた近代技術や文明開化の象徴として読み取れるし、プリンアラモードのような洋菓子は、当時の日本人にとって憧れの西洋の味覚だったはずだ。

つまりこの刺繍のモチーフ選びは、単に「かわいい柄を詰め込みました」ではなく、ワークウェアという実用衣料の上に、日本と西洋の文化交流の歴史を刺繍で描いた、というのが正確な見方になる。

刺繍の技法としては、チェーンステッチ(鎖状に糸を連ねる技法)とジグザグステッチが組み合わされ、糸の太さや色を変えながら、手描きのようなラフな線が表現されているという。

この「きっちり作り込みすぎない」手描き感は、無骨で機能一辺倒だったPAYDAYのワークウェアに、MUVEILらしい柔らかさとユーモアを加えるための重要な要素になっているはずだ。

筆者の見解としては、ここ数年ヴィンテージワークウェア自体は多くのブランドが手掛けており、決して目新しいジャンルではない。

その中で今回のコラボが差別化できているとすれば、それは「機能美のアイテムに物語性のある装飾を足す」という発想そのものだろう。

実用一辺倒のワークウェアに、あえて実用性とは無関係な刺繍という装飾を大胆に乗せることで、普段ワークウェアを着ない層にも手に取ってもらえる余地が生まれている。

なぜ今、この組み合わせなのか

MUVEILはこれまでにも積極的にコラボレーションを展開してきたブランドだ。

過去にはアウトドアプロダクツとのキルティングバッグ、サンリオキャラクターズとのコラボ、FEILERとのタオル製品など、幅広いジャンルのブランドと組んでいる実績がある。

こうした流れの中で、今回初めてヴィンテージワークウェアという領域に踏み込んだことは、ブランドの新しい一面を見せる試みとも言える。

ここ数年のファッション市場では、機能的なワークウェアやミリタリーウェアの人気が根強く続いている一方で、「無骨さ一辺倒ではなく、遊び心や女性らしさを取り入れたワークウェア」への需要も高まっている。

MUVEILのようなフェミニンブランドが本格的なアメリカンヴィンテージのアーカイブを持つPAYDAYと組むことで、これまでワークウェアに縁遠かった顧客層にもアプローチできる、という戦略的な狙いがあったと考えるのが自然だろう。

また、PAYDAY側にとっても、老舗ブランドとしての機能性やアーカイブの価値を、装飾性の高い形で新しい世代に伝える機会になっているはずだ。

双方にとってメリットのある「初コラボ」だったと言えそうだ。

補足:このニュースはどこまで報じられている?

今回のコラボレーションについては、現時点では主にファッション専門メディアである「ファッションプレス」やMUVEILの公式オンラインショップでの発表が情報の中心となっている。

大手の一般ニュースサイトやポータルサイトのトップニュースとして大きく扱われている様子は見られず、ファッション感度の高い層に向けた発信にとどまっている印象だ。

こうした専門ブランド同士のコラボ企画は、話題性の高さの割に一般ニュースでの露出が少ないケースが多い。

気になる人は、公式オンラインショップやファッションプレスの特集ページを直接チェックするのが確実だろう。

なお、MUVEILの問い合わせ先は03-5615-8605となっており、店舗での取り扱い状況を事前に確認したい人は電話での問い合わせも可能なようだ。

まとめ

MUVEILとPAYDAYの初コラボレーションは、1940〜1950年代のヴィンテージワークウェアを土台に、近代日本と西洋文化の出会いをテーマにした色鮮やかな刺繍を加えた、意欲的なコレクションだった。

ジャケットが72,600円、パンツが53,900円と決して手頃な価格ではないが、それぞれのブランドが積み重ねてきた歴史と技術が詰め込まれた1着だと考えれば、納得できる部分も多い。

2026年7月24日からオンラインで先行発売され、25日からは全国の店舗でも購入できるので、無骨なワークウェアに遊び心を足したデザインが気になる人は、公式オンラインショップをチェックしてみてほしい。

Wooder

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


コメントする