坂上忍、妻の「トンズラ」で27匹をワンオペ 保護犬猫施設「さかがみ家」の実態とは

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俳優の坂上忍さんが、動画配信で「妻がトンズラした」ことを明かし、話題になっている。

実際には妻が里帰りのため一時的に家を空けただけなのだが、坂上さんが自ら運営する保護犬猫施設「さかがみ家」で暮らす27匹もの犬猫の世話を、たった一人でこなす「ワンオペ」生活に追われる様子をコミカルに語ったことが、多くの共感と驚きを呼んでいる。

単なる芸能人の日常エピソードにとどまらず、そこには坂上さんが長年取り組んできた動物保護活動の実態も垣間見える内容だった。

「トンズラ」発言の経緯

話のきっかけは、坂上さんの妻が里帰りのために家を空けることになったという、ごくありふれた出来事だった。

坂上さんはこれをコント仕立てで面白おかしく紹介し、「お前家出すんのか?」「トンズラすんだな!」と冗談交じりに妻を送り出したという。

その裏で待っていたのは、27匹の犬猫たちの食事からお世話まですべてを一人でこなす「ワンオペ」生活だった。

坂上さんは動画の中で「あまりに大変すぎてワンコ軍団の撮影するの忘れちゃいました」と明かし、初日を終えた感想として「やっぱり初日はクタクタになりますね。

明日はどうなることやら」と本音をのぞかせている。

27匹の世話はどれほど大変なのか

坂上さんが語った内容を整理すると、その負担の大きさが具体的に見えてくる。

作業内容 詳細
トレーラーハウスの保護猫の食事 1匹ごとに異なるレシピで個別対応
愛犬の散歩 複数の犬を順番に対応
地域猫へのエサやり 敷地周辺の外猫にも対応
健康管理 シニア猫が多くサプリやアレルギー対応食が必要

坂上さんは「みんなシニアなんでサプリ取ってる子とか、アレルギー持ってる子とか、同じご飯が1つとしてないって言ったら大げさですけど、ほぼ全員違ってました」と語っており、単に餌を与えるだけでなく、1匹ずつ健康状態に合わせた個別対応が求められる大変さがうかがえる。

筆者としては、この発言の端々から、坂上さんが動物たちを単なる「頭数」ではなく、一匹一匹を個体として認識し向き合っている姿勢が伝わってくる点が印象的だった。

たとえ普段は奥さんと分担しているとはいえ、27匹分の個別ケアを一人でこなすとなれば、その労力は想像以上のはずだ。

実際、一般家庭でペット1匹の世話ですら「大変だ」と感じる人は多いだろう。

それが27匹、しかもシニア猫犬中心となれば、単純計算でも通常の家庭の何十倍もの手間がかかっていることになる。

なぜ「27匹」にまで増えたのか、日本の保護動物事情

坂上さんの施設に27匹もの犬猫が暮らしている背景には、日本国内における保護動物をめぐる根深い課題がある。

環境省の統計によると、2024年度に全国で殺処分された犬猫は合計6,830頭にのぼり、内訳は犬が1,964頭、猫が4,866頭だった。

過去と比較すると、2004年度の殺処分数は15万5,870頭にのぼっており、20年間で殺処分数自体は79分の1以下にまで減少している。

とはいえ、これは行政による殺処分の件数が減っただけであり、飼い主から見放された犬猫そのものが減ったわけではない。

むしろ殺処分回避のために保護団体や個人シェルターが引き取るケースが増えており、坂上さんの「さかがみ家」のような民間施設が担う役割はこの数年でますます大きくなっている。

筆者としては、殺処分数の減少という数字の裏で、坂上さんのような篤志家の施設に負担がしわ寄せされている構図こそ、今回の「27匹ワンオペ」エピソードから読み取るべき本質だと考える。

つまり今回の話は単なる微笑ましい家庭内エピソードではなく、行政による保護の受け皿が十分でない現状を、芸能人が身をもって埋め合わせているという側面も持っているのだ。

「さかがみ家」とはどんな施設なのか

坂上さんが運営する保護犬猫施設「さかがみ家」は、2022年4月に千葉県袖ケ浦市で開設された。

坂上さんが私財を投じて購入した約4,500坪という広大な土地に建てられており、保護した犬や猫を心身ともに回復させたうえで、新しい飼い主へ橋渡しすることを目的としている。

開設初日には犬5匹・猫10匹を受け入れてスタートしたと伝えられており、そこから数年を経て今回のエピソードで語られた27匹という規模にまで拡大してきたことになる。

施設には犬用に32畳、猫用に20畳のスペースを持つ母屋(延床面積130平方メートル)に加え、2,000平方メートルにも及ぶ広々としたドッグランも備えられている。

坂上さんがこの活動で一貫して強調してきたのが、寄付やボランティアに依存せず、カフェ運営やオリジナルグッズ販売といった自力の収益で施設を維持する「保護活動を商売にする」という姿勢だ。

一般的に動物保護というと寄付に頼りがちなイメージがあるが、坂上さんはあえてビジネスとして成立させることで、保護活動に関わるスタッフの生活も守りたいという考えを繰り返し発信している。

筆者としては、この「商売として保護活動を回す」という発想は、感情論になりがちな動物愛護の世界において非常に現実的かつ持続可能なアプローチだと感じる。

善意やボランティア精神だけに頼った運営は、担い手の生活が成り立たなければいずれ破綻してしまうリスクを抱えているからだ。

一般的なボランティア中心の保護団体では、スタッフの高齢化や資金不足によって活動が縮小・停止に追い込まれる例も少なくないと言われている。

その点、カフェやグッズ販売といった収益源を持つ「さかがみ家」のモデルは、坂上さん個人の知名度に依存する部分はあるものの、他の保護団体にとっても参考になる運営手法だろう。

実際、坂上さん自身もメディアの取材に対し、保護活動に携わる人材の待遇改善なしには活動の継続は難しいという趣旨の発言を重ねてきた経緯がある。

「ワンオペ」という言葉が刺さる理由

今回の騒動が多くの共感を集めたポイントのひとつに、「ワンオペ」という言葉の選び方がある。

本来、この言葉は共働き家庭で片方の親だけが家事や育児を一手に担う「ワンオペ育児」を指す文脈で広く使われてきた表現だ。

坂上さんがこれを27匹の犬猫の世話に転用したことで、人間の育児や介護に通じる「一人で抱え込む大変さ」という普遍的な感覚を、動物保護という文脈でも視聴者に想起させることに成功している。

筆者としては、この言葉選びのセンスこそが坂上さんの発信力の核心だと感じる。

動物保護の大変さを直接的に訴えるのではなく、多くの人が共感できる「ワンオペ」という日常語に置き換えることで、視聴のハードルを大きく下げているからだ。

実際、共働き世帯が一般的になった現代の日本では、育児や介護における「ワンオペ」状態そのものが社会問題として広く認知されており、その延長線上に27匹のペットケアを位置づけることで、視聴者は自分ごととして受け止めやすくなっている。

芸能人の「日常エピソード」が持つ発信力

今回の「トンズラ」騒動が話題になった背景には、坂上さんならではの発信力の高さがある。

深刻になりがちな動物保護の話を、あえて「妻のトンズラ」というコミカルな切り口で伝えることで、多くの視聴者が抵抗なく動物保護の実態に触れるきっかけになっている点は見逃せない。

実際、坂上さんの発言はSNS上でも「大変そうだけど微笑ましい」「27匹のケアがどれだけ大変か伝わってくる」といった反応とともに拡散されている。


筆者の見解では、こうした軽妙な語り口こそが、動物保護という重いテーマを社会に浸透させるうえで大きな役割を果たしていると考える。

真面目な啓発だけでは届きにくい層にも、笑いを交えたエピソードなら自然と情報が届くからだ。

一方で、こうした発信が「保護活動は大変そうだから自分には無理」という敬遠にもつながりかねない側面もあり、発信の仕方には常にバランスが求められるだろう。

それでも総合的に見れば、坂上さんのような知名度のある発信者が定期的に保護活動の現場を発信し続けること自体が、里親希望者の裾野を広げる地道な啓発活動になっていることは間違いない。

一件のコミカルなエピソードが、結果として保護犬猫への関心を高め、譲渡につながる可能性を考えれば、その社会的な意義は決して小さくないだろう。

補足情報

坂上さんは以前から、日本国内で犬猫の「販売」をやめ、保護犬猫の譲渡を主流にすべきだという持論を繰り返し発信してきた人物としても知られる。

「さかがみ家」にはカフェスペースも併設されており、来場者が保護猫や保護犬と触れ合いながら支援できる仕組みが用意されている。

今回のエピソードのように坂上さん自身が日々のケアの様子を発信することは、施設の知名度向上や新たな里親探しにもつながっているとみられる。

まとめ

坂上忍さんの「妻がトンズラ」発言は、コミカルな語り口の裏に27匹の保護犬猫を一人で世話するという現実的な大変さが詰まったエピソードだった。

2022年の「さかがみ家」開設から積み重ねてきた保護活動の広がりと、坂上さんならではの発信力の高さが合わさって、多くの共感を集める結果になったと言えるだろう。

今後も坂上さんの発信を通じて、動物保護活動への関心が広がっていくことが期待される。

Wooder

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